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写真スキャン講座(フィルム編)

プリント写真のスキャンはここをクリック
  ここでは、35ミリのフィルムのスキャンについてご説明します。 プリント写真のスキャンについては写真スキャン講座をご参照ください。 また、スキャンを行う際のスキャナーについてはスキャナー選定のページをご参照ください。
1 スキャナーの用意
  フィルムのスキャンは、使用するスキャナーによって性能が大きく変わってしまいます。結論から申し上げると、フィルムのスキャンを行うためには、フィルム専用のスキャナーを用いるか、あるいはドラムスキャナーによる方法がお奨めです。一般のフラットベッドスキャナでもハイエンド機種ではフィルムのスキャンが可能ですが、解像度面では、かなり性能が落ちます。但し、フィルム専用のスキャナは現在国内では生産されておりません。小型のハンディなものはありますがフィルムの持っている解像度を引き出せるものではありません。国内メーカのものであれば中古のものを入手する必要があります。
1.1 フィルム用スキャナの選定のポイント
  • 購入する前に実際にスキャンして評価する・・・・Memo 1参照
  • デジタルICE機能があるスキャナを選択する・・・・Memo 2参照
Memo 1
スキャナのカタログを見ても、本当の意味での解像度はわかりません。 大半のスキャナは取込解像度を仕様に謳っております。 しかし、これは厳密な意味での解像度ではありません。 例えば2400dpiの解像度と記してあったとしても、 それは1インチ当たり2400画素で取り込めるということであって、 本当に2400画素に見合った解像度があるかどうかは別です。 本当に2400DPIの解像度で読み込むためには、 2400dpi以上の光学的な性能 が必要なのですが、殆どのスキャナは光学分解能で定義しておりません。 また、中にはサンプリング分解能を光学分解能と称している場合もあります。 極端なことを言うと、レンズの分解能が600DPIの能力しかないのに、 取り込む分解能(サンプリング分解能)は2400DPIで取り込んでしまい、 2400DPIの分解能と称しているものもあるのです。
Memo 2
デジタルICEはコダックにが開発したフィルムスキャナ用のゴミ除去方法です。 赤外線を用いた、非常に優れた方法です。 フィルムスキャンではどうしても、ゴミの影響が強く出ます。 スキャン後に手作業で取ることもできますが、非常に大変です。 デジタルICEはこの手間を大幅に軽減してくれます。 しかし、スキャナによって多少の性能差はあります。 また、スキャン時間が大幅に延びるという欠点があります。
1.2 スキャナ解像度比較
  フィルムスキャナーとフラットベッドスキャナのフィルム入力時の 解像度の能力を比較してみましょう。
  下の写真のフィルムを3つの機種で入力し、 解像度の比較を行いました。解像度の差を明確にするために、 左の写真の黄色の枠の部分を拡大して比較してみます。 入力は全て3200dpiで揃えてあります。
オリジナルフィルム
フラットベッド1

フラットベッド1

フラットベッド1

フラットベッド2

フィルムスキャナ

フィルムスキャナ

  結果は上の3つの写真です。   フラットベッドスキャナーは、 光学解像度仕様が6400dpiとなっていました。 一方、フィルムスキャナは解像度4000dpiが仕様値です。 入力結果は明らかにフィルムスキャナーの方が高い解像度を示しています。 フラットベッドスキャナの『光学解像度』の注釈に サンプリングレートであると記されていますので、 レンズの解像度ではないということになります。

  もともと、フラットベッドスキャナは、 大きな原稿を読取る目的で開発されていますので、 フィルムのような解像度が必要な素材のために、最適化されてないのでしょう。 従って、フィルム入力にフラットベッドスキャナを用いる場合は、 高い解像度が必要な用途には向かないと考えるべきです。
  見方によっては、この程度の解像度の差であれば、 それほど問題ないという場合もあるでしょう。ただ、実際に写真全体をみた印象は、 あきらかに、フラットベッドスキャナの画像は、 所謂『ねむい』画像になっています。

2 フィルムの取扱
  • フィルムは決して素手で触らないようにしてください。
    素手で触ってしまって指紋が付着した場合は、 フィルムクリーナーを用いてすぐに清掃するようにして下さい。 フィルムに指紋が付いたままにしておくと、 フィルムのゼラチン質の中に指紋が入り込んでしまい、 清掃しても取れなくなってしまいます。 また、指紋の部分からカビが発生する可能性が高くなります。
  • フィルムをスキャンする前にすべきことは、 エアーブローによるゴミの除去です。
    特に汚れがひどい場合を除いて、 個数の少ないゴミを無理して除去するのではなく、 簡単に除去できるゴミのみブローするという程度です。
  • フィルムの清掃をしなければならない時は、専用のクリーニング液を使用。
    古いフィルムで保管条件の悪いものの場合、 ゴミが非常に多く付着している場合があります。 余りにもゴミが多い場合には デジタルICE機能の能力を超えてしまいますので、清掃することになります。 但し、これは最後の手段だと思って下さい。クリーニング液は、 必ず専用のフィルムクリーナー液を使用して下さい。 市販のアルコール等は使用不可です。 クリーニング液をクリーニングペーパーにしみこませて行いますが、 綿棒などにしみこませる方法もあります。 但し、どうしても多少の拭きムラは出ますし、 汚れがひどい場合は、拭きとったゴミがフィルムの他の部分を擦り、 フィルムに多少キズが付くことも ありますので、自己責任で行っていただくことになります。 貴重なフィルムであれば専門業者に任せるべきです。
  ゴミの除去は、上でも述べましたが、デジタルICE機能を使用して除去することをお薦めします。
3 フィルムの判別
  フィルムのクリーニングが終わったら、 いよいよフィルムをスキャナーに装填します。 その時に大事なことがあります。 それは、フィルムの裏表の判別とフィルム種の判別です。
3.1 フィルムの表裏判別
先ず、表裏の判別は以下のようにします。
  1. ストリップフィルム
    ストリップフィルムとは、 所謂フィルムホルダーなどに入っている状態のフィルムのことです。 この場合は、フィルムの両側に文字が入れてあります。 コマ番号であったり、メーカ名が入っています。 この文字がフィルムを透過で見た時に正しく見える側が表面で、 実際に写真を写した風景通りに見えるはずです。 (勿論ネガは色反転していますが。)  大判フィルムの場合も 殆どフィルムそのもので保管されていますから、 外周の文字が見えるはずです。この場合も、 文字を透過で見た時に正しく見える側が表面です。
  2. マウントされたフィルム
    マウントフィルムとは、 枠を付けたもの(3.2項の写真)で、 ポジフィルムの多くは、マウントされた状態で保管されます。 この場合、 フィルム端の文字はマウントで覆われてしまっていますので、 フィルムを見て判断する必要があります。フィルムを斜めから見て、 ツルっと光沢のある方が表面で、凸凹している方が裏面です。 但し、フィルムによっては非常に判別しにくいものがあります。 凸凹の量もフィルムによって全く異なります。 なるべく浅い角度で見て、 判別しますが、これは多少馴れが必要かもしれません。 どうしても判らない時は、 マウントを外してフィルム端の番号を見るのが良いと思います。
3.2 フィルムの種類判別
コダクローム
スキャナによっては、 コダクローム(**)用の設定が必要な場合があります。 左図のようにマウントにコダクロームと書かれている場合は、 問題ありませんが、 マウントが必ずしもコダックのものとは限りません。 コダクロームは、裏面の凹凸が非常に大きいので、 判定はできますが、コダクローム 以外のフィルムを凹凸だけで判断するのは困難です。 結局、マウントを外して確認することが 必要と考えます。
**コダクローム:ポジフィルムでも特殊なフィルムです。 一般にポジフィルムには内式と外式の 2種があります。 内式(ないしき)は発色剤(カプラー) があらかじめフィルムに含まれているもので、 外式(がいしき)はあとから発色剤を入れるものです。 大半のポジは内式ですが、コダクロームは外式です。
4 スキャナの設定
スキャナは、上でも述べましたように、入手できるタイプが限定されておりますので、 ここでは特定のスキャナを前提とはしません。 しかし、フィルム面上のゴミはスキャンすると 非常に目立ってしまいます。 そこで、上でも述べましたが、ぜひデジタルICEの機能(または 同等の機能)を有するスキャナを使用して下さい。 勿論、どの機種を用いてもデジタルICEが あれば問題ないというわけではありません。 上手く機能するものもあれば、中途半端なものも あります。しかし、無いよりはましです。 そしてデジタルICE機能をオンにして入力してください。 但し、上で述べたコダクロームのスキャンは要注意です。 コダクロームの設定がある機種であれば 良いのですが、そうではない機種の場合、 デジタルICE機能を用いてコダクロームをスキャン すると、画像が乱れることがあるからです。 その場合は、デジタルICEを切って使って下さい。
5 今後のフィルムスキャン
フィルムスキャンの環境は年々厳しくなってきています。 ご自分で、フィルムスキャンを行う上では、性能はある程度犠牲にせざるを 得ない状況です。唯一可能性がある方法は、デジタルカメラを使用する方法です。 但し、それなりのレンズを用意する必要があり、照明もムラなどが発生しないように 配慮する必要があり、それほど簡単ではありません。デジタルICEも使えません。 フィルムもかなり古くなってきているはずで、よほど保管環境に注意しないと カビだらけになってしまいます。残しておきたいものは、早急にスキャンして おくことをお薦めします。
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