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カメラにおける位相差AF(オートフォーカス)の原理

 カメラのオートフォーカス方式には大きく分けて2種類の方式があります。ひとつは、コントラスト方式、もうひとつは、位相差方式です。位相差方式にも普通の位相差方式と、像面位相差方式の2種類があります。ここでは、先ず、一般的な位相差方式についての説明をします。位相差方式は、一眼レフで最もよく使われているオートフォーカス方式です。多くは、一眼レフの反射ミラーの後に、専用の位相差AF検出系が組み込まれていて、その検出系でボケの大きさと方向を検出して、レンズの焦点合わせを行っています。ここでは、その原理について説明します。

 この方式は、コンパクトカメラに使われているコントラスト方式と異なって、専用のセンサーが必要になります。センサーを組み込むスペースも必要になりますので、コンパクトカメラでは使われていません。  位相差AFの位相という言葉は、一般的には聞きなれない言葉ですが、ここでは像のズレという理解をして頂くと良いと思います。
 AFというのは、カメラと被写体の間の距離が変わった時に、レンズの位置を変えてピントが自動的に合うようにことです。ピントがずれた時には画像がボケます。画像だけ見ていたのでは、画像がボケるのですが、どちらの方向にずれたのかが分かりません。コントラスト方式では、とにかく動かてみて、ボケが大きくなったら、逆方向に動かしてフォーカスをかけます。従って、コントラスト方式の最大の欠点は、スピードが遅いということです。一方、位相差方式は、センサーでフォーカスのずれ方向が判る方式です。従って、最大の特徴として、高速でオートフォーカスをかけることができるし、動く被写体などにも適格に追従しながらオートフォーカスを掛けることができる方式です。
 下の絵をご覧ください。カメラの前にあった被写体が手前に移動したとします。画像は最初はピントが合っていたとしますと、被写体が移動すると、画像はボケるだけです。
中央カメラ

Fig 1

 そこで、カメラを少し右にシフトします(ここでは右カメラとします)。それが下の図です。今度は、カメラを右に置きましたので、ピントがあった位置の画像は少し左に寄っていますが、被写体が手前に移動した時は、ボケるだけではなく、さらに左にボケた像が動いて見えます。位相差AFというのは、少し斜めから見てやることによって、被写体の前後の移動を横の移動に移し替えているのです。そしてこの横方向への移動量を検出してピントを合わせるようにするのです。
右カメラ

Fig 2

 ところが、このままでは落とし穴があるのです。被写体が前後ではなく、例えば左に動いたとしましょう。そうすると右カメラでとらえた被写体の画像も左に動きますから、被写体が手前に動いた時と同じように見えてしまうのです。(厳密に申し上げれば、ピントは合ったまま左に動いています。)従って右カメラだけではピントを合わせることができません。
物体左シフト

Fig 3

 そこで、更にもうひとつのセンサー(ここでは左カメラとします)を追加します。右カメラの反対に置きます。このカメラの画像は、全体が少し右に寄っています。被写体が前に動くと画像がボケると同時に画像は右に動きます。
左右カメラ

Fig 4

 先ほどの右カメラでは被写体が手前に動いた時は、画像は左に動きました。一方左カメラでは画像は右に動きます。つまり、反対方向に動くのです。そして、被写体がピント方向ではなく、単に左に動いた時は、右カメラも左カメラも画像は左に動きます。  カメラを二つ用意することにより、ピント方向のズレか単なる横方向の被写体の移動かを分別できるのです。
 以上で、二つの方向から被写体を見ることにより焦点ズレを検出できるということがお判り頂けたと思います。以下では、上で述べたことがカメラでどのように組み込まれているかということをご説明します。
 下図を見て下さい。位相差AFの検出系はカメラのレンズの後に搭載されています。カメラのレンズの像をもう一度位相差AF検出用の2つの小さなカメラ(レンズとセンサ)で見ているのです。
前ピン、ジャスピン、後ピン

Fig 5

 カメラの画像センサーは上の図ではカメラ画像センサ位置と書かれた位置に存在するとします。この位置に像ができている状態がフォーカスが合っている状態になります。それが中央の図です。フォーカスが前ピンになったのが左の図です。この時、AFセンサー上の像はジャスピンの時に較べて二つの像が近寄っています。逆に後ピンの場合が右の図ですが、像の間隔が広がっています。
 つまり、二つの像がいつも同じ間隔になるようにレンズ位置を調整してやればよいのです。
 位相差AFのセンサーは、二つのレンズと二つのセンサーですが、これを離すことによって二つの方向から像を見ていることになるのです。  実際のカメラの組み込み例が下の図です。
カメラへの位相差AFの組込

Fig 6

 一眼レフの反射ミラーの後にもう一枚ミラーがあり、光を下の方向に反射させてAFセンサー(レンズは図示されていません)に導いています。一眼レフの反射ミラーはAF部分のみ半透過になっていますので、ファインダーでも像が見えますし、同時にオートフォーカスにも像が導かれるのです。ミラーをアップすると、AFセンサーは確認できますが、AF用のミラーはミラーアップとともに折りたたまれる機構になっていますので、ちょっとみただけでは存在がわかりません。
以上で、位相差AFの原理に関する説明はおしまいです。この位相差AFから専用のAF検出系を無くしたものが、 像面位相差方式と呼ばれるものです。これにつきましては、別途記載させて頂きます。
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