一般的にメーカ共通で用いられているカメラ用語の中でも判りにくい用語についての解説です。
従って、メーカ特有の用語については記載されておりません。各メーカサイトをご覧ください。
- 有効画素数・総画素数
- 実際に出力される画素数という理解で殆ど間違いない(例外あり)。実際のセンサーはもう少し 余分に画素があり、その余分の画素も含めて総画素数という数値がある。総画素数を表記していないメーカもある。
- ISO感度
- 設定可能なセンサーの感度。フィルム式カメラの時代は、装填したフィルムによってISO感度が決まってしまうため、フィルムに記載されたISO感度をカメラに設定していた。デジタルカメラになって、フィルムの代わりにCMOSやCCDセンサーが用いられるようになり、フィルム感度という概念が無くなった。代わりに、センサーの出力を電気的に、あるいはソフトウェアーによって増幅することで、見掛け上高い感度のセンサーが実現できるようになった。感度を高く設定すれば、暗い場面でもシャッタースピードを上げられるため、ブレの少ない写真を撮ることができる。一方、感度を高くすると電気的なノイズまで増幅されるため色がまだらにになるなどの不具合が生ずる。センサーそのものは、CMOSにしろCCDにしろフォトダイオードが用いられ、本質的には、どこのメーカのセンサーも同じ感度であるが1画素の大きさや、画素に入る光の集光効率などによってノイズを軽減することができる。また、最近は、画像処理によってノイズをある程度除去することも可能で、これらの技術を駆使して高い感度のカメラが市販されるようになった。但し、ここで謳っている感度は、厳密な各社共通の規格に基づいた値ではなく、各社でここまでなら使えると一方的に判断した値である。従って、例えば同じISO12800という設定をしたとしても、ノイズの出方がメーカ毎、機種ごとに異なる。使える使えないはあくまでもユーザの判断ということになる。
- 推奨露光指数REI(Recommended Exposuer Index)
- 最近はあまり使われない。メーカが適正露光と判断した露光量をISO感度の数値で表示
- 標準出力感度SOS(Standard Output Sensitivity)
- 撮影した画像の出力が118(0〜255段階中)になるように露出を決め、その時撮像素子に入ってきた光量で規定(被写体輝度は測って補正
- フラッシュ(ストロボ)同調シャッタースピード
- フラッシュ(ストロボ)を焚いて撮影する時に必要になるシャッタースピードの上限値。オートでストロボ撮影する場合はカメラが自動的に設定してくれるが、マニュアルで撮影する場合は、このシャッタースピード以下(短い時間)にすると、画面の一部にシャッターでケラレが生じる。ストロボで撮影する時は、シャッター全開になる状態を作り出す必要があり、全開可能なシャッタースピードの上限がこの値になる。この制約は一眼カメラ特有で、フォーカルプレーンシャッター(センサー面やフィルム面に接近して配置されたシャッターで、数千分の1秒というような高速シャッター時間が使用できる)を用いていることに起因する。コンパクトデジカメなどでは、レンズシャッター(レンズの近くに配置したシャッタ)が用いられているため、同調スピードの制約は無い。
- ファインダー視野率
- ファインダーから見える範囲と、実際に画像として記録される範囲の比率。100%であれば、ファインダーで見たものがそのまま画像として記録される。 100%以下であれば、ファインダーで見た範囲は実際に記録される画像より狭い範囲を見ていることになる。一眼レフにおいては視野率が100%にならないのは、製造誤差があるため。レンズを通った光は撮像素子に行く光とファインダーに行く光は別の経路となる。従って、当然のこととして、軸ズレ等の誤差が生じる。100%にしようとすると誤差が許されないので、部品精度や調整が厳しくなる。100%とは言っても厳密な100%ではない。約100%という表現が正しい。部品精度を上げられるために、高級機ではペンタプリズムと呼ばれる5角形8面体のガラスブロックを用いる。入門機では、ミラーを3枚貼り付けたペンタミラーを用いるが、ミラーの貼り付け精度(低い)とプリズムの精度(高い)の差が生じる。但し、ファインダー系の問題であり、撮影した画像には一切関係しない。
- ファインダー倍率
- ファインダーを通して被写体を見た時に肉眼で見た大きさに較べて何倍に見えるかという数値。倍率が大きい程焦点合わせがやりやすい。撮影レンズの焦点距離を接眼レンズ(ファインダーについているレンズの焦点距離で割った値となる。しかし、一眼レフの場合はレンズ交換が前提になり、交換することによって倍率が変わってしまう。望遠レンズを付ければ拡大されるので、視野倍率は高くなるし、広角レンズを付ければファインダーから覗いた被写体は小さく見えるので倍率は低くなる。そこで焦点距離50mmのレンズ(焦点は無限遠に設定・視度調整は−1m−1)を付けた時の条件で倍率で規定している。つまり、50mmをカタログ値のファインダー倍率で割れば接眼レンズの焦点距離が判る。ファインダー倍率0.7のカメラの場合、接眼レンズの焦点距離は71.4mmとなる。一般的にAPSCサイズの場合、ファインダー倍率はフルサイズよりも大きい。従って接眼レンズの焦点距離は短い。電子ビューファインダーの場合は、撮影レンズの焦点距離と接眼レンズの焦点距離の比では決まらない。電子ビューファインダー表示デバイスの大きさや、電子ビューファインダに映し出す倍率などが影響するためである。ネット上では、APSCサイズのカメラの場合のファインダー倍率をセンササイズに対応して35mm換算の倍率を計算している例があるが、倍率はあくまでも光学的な倍率であり、無意味で誤解を招く。撮影倍率と混同しているものと思われる。光学機械と考えると、カメラのファインダーから被写体を見るのは、望遠鏡を覗くのと同じであり、望遠鏡に倍率の規定があるのと同じで、カメラのファインダーに規定があると考えれば良い。
- 視度調整
- 一眼レフカメラでは、個人の目の度に合わせてファインダーの焦点位置を調整できる機能がついている。視度調整と呼ばれ、ファインダー近辺に調整ダイヤルがついている。一般的に-3m-1〜+1m-1などと範囲が記載されているが、これはメガネで言う「ディオプター」という度に相当する数値。ディオプターは焦点距離の逆数であり1メートルの凸レンズが1ディオプタになる。-3m-1〜+1m-1は焦点距離0.33mの凹レンズから焦点距離1mの凸レンズまでの補正が可能であるという意味になる。メガネを外して写真を撮る人には便利かもしれないが、あまりそういう人は見かけたことがありません。
- フォーカシング(ファインダー)スクリーン
- ファインダーの中にスリガラスのような板が入っている。この位置はセンサー位置と同じ フォーカス面になっているので、このスリガラス上に一旦像が結ばれる。その結ばれた像を ペンタプリズム(一眼レフの頭の出っ張りの中に入っている5角形のガラス塊)で 像の上下左右を正しく見えるようにし、ファインダーの覗き口のレンズを見ている。 このスクリーンは無くてもファインダーとしては使えるが、フォーカシングを 行うためには実際の像がボケているかを確認するために必要。スリガラスがないと そこから後の光学系でボケている可能性も出てしまう。
- アイポイント
- 接眼(光学又はデンシビューファインダー)のレンズから何ミリまで離しても視野の四隅まで ケラレずに見られるかを示している。目の中心とレンズの中心が合っている条件。この値が 大きい程目を離せるので、眼鏡をかけた人には有利になる。
- アイレベル式ファインダー
- もっとも一般的な方式で、目の位置にファインダーをもってきて見る方式。対する方式に ウェストレベル式などがある。ウェストレベルは、腰の位置にカメラを置いてみる方式で 昔の二眼レフ(レンズが二つついているカメラ)では、上から覗きこむ方式であった。 一眼レフでも、ウェストレベルファインダーが有ったが、最近は角度が変えられる液晶モニターが 有るため、殆ど見なくなった。
- EV(露出関係)
- 昔、マニュアル露出しか無かった時代に、ISO100のフィルム使用で
天気が晴ならf8、250分の一秒
にするというのが基準で明るさが二分の一になったら、
絞りを一段開くというような考えで露出を決めていた。
このあたりをもう少し数値的に表せないかということで使われているのが
EV値という概念。 撮影する状況(天気や時間帯など)で
適正露出になるEV値というものをあらかじめ決めておき、
EV値が決まったら、そのEV値になるように絞りとシャッタースピードを決めるのが
EV値の概念。それも、簡単な足し算とか引き算でできるというのがポイント。
絞り1.0、シャッター時間1秒、ISO感度100の時、EV=0と決めている。 EV値は、シャッターEVと絞りEVを足し、そこからISO−EVを引いて計算する。
EV=シャッタ・EV+絞り・EV−ISO・EV
となる。シャッター・EVは1秒が0で シャッター時間が半分になる毎に1づつ増える。絞り・EVはF=1.0がEV=0 になり、絞りが1段絞られる毎(レンズを通る光量は半分) にEV値が1づつ増える。ISO・EVはISO100がEV=0で感度が2倍になると 1づつ増える。従って、ISO100でシャッター時間0.5秒、 絞り1.4ならEV=2となる。
- ブラケット(ブラケッティング)
- 連続して3コマ(変えられる)を条件を変えて撮影する機能。一般的にはAEブラケッティング と言って、露出を変えて撮るスタイルが良く使われる。最近では、ISOを変えたり、 するブラケッティングが可能な機種も存在する。
- DCF2.0(Design rule for Camera file system)
- デジタルカメラのファイルシステム規定。Exifファイルの収納方法の規定であるが、 一般的なカスタマーにとっては、殆ど気にする必要がない。 階層は3階層であり ( DCIMフォルダ)−(3桁数値+5文字フォルダー)−(各画像ファイル(JPEGファイル)) と決まっている。DCF2.0より色空間がsRGBに加えてadobeRGBが加わった。
- DPOF (Digital Print Order format)
- デジタルカメラ内の画像のプリント指定を行うことが可能なフォーマット。 DPOF対応のプリンタを使用すると利用可能となる。
- JPEG(Joint Photographic Experts Group)
- 画像の圧縮方式。ファイルフォーマットと言われることが多いが 正確にはファイルフォーマットではない。
- RAW (raw image format)
- 画像ファイル形式のひとつ。rawは英語の「生」。生の画像データであり、 加工されていないデータである。データファイルの容量が非常に大きくなる。 最もよく使われるJPEGと異なり、各画素の生のデータを保存したもの。 一般的に、画素は赤、緑、青の画素からなっているため、それぞれの強度が そのまま出力される。JPEGなどは、特定の画素の情報は、周りの画素から 計算した赤、青、緑の情報を含んでいる。RAW画像のフォーマットは、各社各様で 統一されていない。
- Exifイグジフ(Exchangeable image file format for digital still cameras)
- デジカメ画像ファイルのタグ情報
- Exif2.21
- 色空間にAdobeRGBまで拡大したもの。従来はsRGB。
- 標準レンズ
- 定義は定まっていない。一般的には、画角45度程度のものを標準レンズと定義している。 この場合、センサーのサイズによって、レンズの焦点距離が変わってくる。 フルサイズの場合は焦点距離50mmのレンズ。 APSCサイズの場合は、焦点距離35mm程度のものが該当する。
- 画角 angle of view
カメラで写される範囲を角度で表したもの。 上図に示したようにレンズの焦点距離とフィルム又は撮像素子の大きさで一義的に決まる。 フィルム又は撮像素子の高さ、幅、対角長によって定義が変わるため、どの値を用いているかを 決めておく必要がある。広角レンズは画角が広く、望遠レンズは画角が狭くなる。
- 最大撮影倍率
- レンズカタログに記載されている項目。 表現としては1/4とか1:4あるいは0.25倍(0.25X)などと書かれている。 どれも同じ意味で、この例ではそのレンズによる倍率が四分の一を意味する。 写真を撮った時に、センサーやフィルム上に実際の被写体のサイズの最大四分の一の大きさで撮影される。 これ以上の大きさでは写せない。被写体を大きく写したいということは、被写体に近寄って写す場合であり、最も近い距離に焦点を合わせた場合の倍率になる。 通常、遠くのものを写す場合は、この最大撮影倍率というのは気にすることは無いが、近くのものを写す時は重要なパラメータ。 近寄って大きく写そうと思っても、この最大撮影倍率が小さい場合は大きく写せない。 特に花や昆虫などを写す場合は、注意する必要がある。 マクロレンズ(接写用レンズ)はその点多くの場合最大撮影倍率が1倍まで対応しているものが大半。 マクロレンズ以外のものはせいぜい数分の一程度の最大撮影倍率であり、ハエや蚊のようなものを撮っても、大きくは写せない。 注意すべきことは、最大撮影倍率での撮影の際、レンズのF値は絞りを開放に設定しても小さくなってしまう。開放の絞りは、 無限遠に焦点を合わせた時の条件だから、最も近いところに焦点を合わせるとF値は小さくなる。
- テレコンバータ
- 使用するレンズとボディの間にいれて、焦点距離を延ばすために使用するレンズ。 テレはTELEであり、遠いを意味する。テレの反対語がワイドになる。
- マクロレンズ
- マクロ撮影(接写)を行うためのレンズ。あるメーカではマイクロレンズと称しているが、 一般的にはマクロレンズ。撮影倍率が高く設定できる。