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写真スキャン講座

プリント写真編

フィルムの入力はここをクリック
  ここでのご説明は、ご家庭でプリント写真を入力するまでの段階の説明です。 フィルムについてはフィルム編をご参照ください。 また、入力を行う際のスキャナーについてはスキャナー選定のページをご参照ください。 このページはCCDタイプのフラットベッドスキャナを使用することを前提としております。
目次
1 道具の用意
  プリント写真の画像入力を行うための道具を列挙しました。 絶対に必要となるのは、スキャナーとパソコンですが、それ以外(下の写真)のものは、 あった方が良いというものです。
手袋

写真1.1 手袋

ルーペ

写真1.2 ルーペ

清掃紙

写真1.3 清掃紙

懐中電灯

写真1.4 懐中電灯

スキャナー
CCDタイプのフラットベッドスキャナー。 なるべく本体部の高さがあるものがベター。
パソコン
画像を扱うため、パフォーマンスの高いものが好ましい。 メモリー容量が少ないとスキャンに時間を要する場合があります。 スキャン中はウィルス対策ソフトは、停止しておくことで、データの転送スピードが改善されます。
手袋
写真の清掃、スキャナーガラス面の清掃と、写真を素手で触らないためです。 静電気を発生させないもの、ホコリの出ないものを選んで下さい。
ルーペ
主に、絹目写真の絹目方向を見るために使います。普通のルーペで十分ですが、 写真用のものの方が使いやすいと思います。低価格のもので十分です。
清掃紙
スキャナのガラス面の清掃に使います。キムワイプなどケバの出ないものが理想的。 ティッシュはホコリが出やすく硬いものが混入していることがあり、ガラス面にキズを付けることがあります。
懐中電灯
スキャナーのガラス面の汚れを見る時に使います。
 
2 事前準備
2.1 スキャナーの改造
  光沢写真がガラス面に密着してしまうと、画像データにシミのようなムラが入ってしまうことがあります。写真2.1、写真2.2参照
密着欠陥

写真2.1 密着欠陥

シミ拡大

写真2.2 シミ拡大

スペーサ取り付け

写真2.3 スペーサ取付

スペーサ取り付け拡大

写真2.4 スペーサ取付拡大

  このシミを防ぐため、写真がカバーによって強く押し付けられないようにします。 (この後の写真の準備の項目で述べる写真の湾曲化 とスペーサ取り付けの両方の対策で、シミを防止します。) そのために、カバーの部分にスペーサーを入れます。

  写真2.3にスペーサーの一例を示します(矢印の箇所4点)。 この場合は1.5mmのシリコンゴム板を4ヶ所に貼りつけました。 スペーサはカバーと本体が接する部分に入れます。スペーサの厚さも機種毎に多少異なりますが 1〜2mmの範囲で問題ないと思います。材質は、ホコリの出ないものであれば何でも結構です。

   この密着によるシミのような欠陥は、光沢写真特有の現象です。絹目、微粒面などでは発生しません。 アルバム写真の場合は、 ガラス面にアルバムを強く押さえつけると発生しますのであまり強く押さえないことです。

2.2 ドライバーソフトのセッティング
入力機器選択

図2.5 入力機器の選択

エプソンモード選択

図2.6 エプソンのモード選択

キャノンモード選択

図2.7 キャノンのモード選択

  スキャナのドライバーソフト、アプリケーションソフトは既にインストールされている前提です。普通、アプリケーションソフトはスキャナーを購入時に付属しているCDにドライバーソフトと一緒に格納されています。ここでは、アドビのフォトショップエレメンツを使用して読み込む場合で説明します。

  アプリケーションソフトを起動します。フォトショップエレメンツの場合は、ファイル>読み込みをクリックすると、接続されているスキャナーが表示されます。(図2.5)ドライバーがインストールされている場合には、この中にスキャナ名が表示されます。入力に使うスキャナを選択します。ドライバーソフトが起動されたら、入力モードを選択します。

  ドライバーソフトは、もっとも自由度のある方法(呼び方はメーカ毎に違い、『プロフェッショナルモード』とか『拡張モード』などと表示されております)を使います。(図2.6、図2.7)

3 写真の種類による入力方法の違い
3.1 光沢写真
写真を曲げる

写真3.1
写真を湾曲させる

写真の曲げ具合

写真3.2
写真の曲げ具合

  写真のガラス面への密着を防ぐため、光沢写真の場合は写真をスキャナーのガラス面に置く前に、写真を少し湾曲させます。読取り面が凹になるように湾曲させます。(古い写真は注意が必要です。古くて、紙厚の比較的に厚い写真は、湾曲させることでシワが発生してしまうことがありますので、あまり強く曲げないようにして下さい。)
  曲げ具合は、ガラス面に置いた時に数ミリから10ミリ程度が適当ですが、大きな写真では難しいと思いますので、可能な範囲で結構です。
  曲がり具合は数ミリから10ミリ程度としましたが、スキャン時にはカバーでフラットに押し付けられますので、せいぜいスペーサ分しか湾曲しません。従ってこれによって画像がぼけることはありません。
3.2 絹目写真
  絹目写真を美しく入力するには、スキャナーのタイプ、写真の置き方の2点に注意します。
a 絹目写真の画像はスキャナの種類によって異なる
下の3枚の写真をご覧になって下さい。3種類のスキャナーで絹目写真を入力した結果です。写真の下にスキャナータイプを記載しました。
写真3.3 CCDフラットベッドスキャナ

写真3.3
CCDフラットベッド

写真3.4 CCDドキュメントスキャナ

写真3.4
CCDドキュメントスキャナ

写真3.5 CISフラットベッドスキャナ

写真3.5
CISフラットベッド

  一番右のCISタイプは激しい斑点が発生します。
  スキャナーはスキャナー選定の項でも記しましたが、CCDタイプの場合はこの斑点の程度はさほど強くなりません。しかし、CISタイプは斑点が出やすい傾向があります。これは経験則ですので全てのスキャナに当てはまるとは限りません。メーカや機種によって差があります。

b 絹目写真に斑点が発生する理由
写真3.6 絹目写真の凹凸

写真3.6
絹目写真の凹凸

  斑点やすじのようなものは、絹目写真特有の現象です。絹目写真は、左図に示したように凸凹のエンボス加工がなされております。この突起の部分がスキャナーの照明光を反射させてしまい、斑点になるのです。  エンボスの程度は印画紙によっても差がありますので、写真3.3〜3.6に示した例よりひどいものもあります。反対に殆ど発生しないものもあります。しかし、写真を肉眼で見ただけでは見分けられません。また、この斑点を完全に無くすことは原理的に困難です。しかし、スキャナのタイプを選び、かつスキャンの仕方を工夫すれば、かなり低減できます。
c 絹目写真の斑点を低減する方法
  下の3枚の写真をご覧になって下さい。同じ絹目写真の入力方法を変えてデジタ化した画像の一部です。写真3.7と写真3.8は入力方向を90度回転させております。 写真3.8の条件を『絹目直交』と呼んでおります。写真3.9は写真3.8の条件にモワレ低減機能をオンにして入力しました。
写真3.7 絹目0度

写真3.7
絹目0度

写真3.8 絹目直交

写真3.8
絹目直交

写真3.9 絹目直交モワレオン

写真3.9
絹目直交モワレオン

  良く見ると、写真3.7には斑点があり横方向にスジのようなものが見えます。写真3.8はスジらしきものは見当たりませんが斑点は残っています。写真3.9は斑点が改善されております。下の拡大図でご確認ください。モワレオンは単純なフィルターとは異なりますが、多少画像がボケた感じになります。
写真3.10 絹目0度

写真3.10
絹目0度

写真3.11 絹目直交

写真3.11
絹目直交

写真3.12 絹目直交モワレオン

写真3.12
絹目直交モワレオン

  絹目写真の入力に際しては、絹目の方向を見てスキャン方向を合わせ、モワレ低減機能をオンにすることにより、かなり低減できます。
写真3.13 絹目直交スキャン方向

写真3.13
絹目直交スキャン方向

  絹目直交のスキャン方向とは左図の矢印の方向です。右から左でも勿論結構です。上下のスキャン方向にならないようにしてください。このスキャン方向を決定するために1項で示したルーペを使います。
3.3 印刷写真
  写真の中でもインクジェットプリンターによる印刷写真があります。また、時にはパンフレットなどの印刷物を写真と一緒に保管することもあります。これらに共通することは、ドットの集まりや一定の周期をもった画像によって構成されていることです。これらの画像を普通に入力すると、モワレ現象が発生してしまいます。モワレ現象の例を下に示します。
写真3.14 モワレ現象

写真3.14
モワレ現象

写真3.15 オリジナル画像

写真3.15
オリジナル画像

写真3.16 オリジナル画像拡大

写真3.16
オリジナル画像拡大

  写真3.14がモワレの例です。この写真のように、網目模様や縞模様になって現れます。この写真は雑誌を普通に入力したものです。写真3.15がオリジナルの写真です。普通は、読取った画像そのものに縞が出ますが、 画像に縞が無くても、モニター上で写真の倍率を変えて表示すると現れることがあります。写真3.16にこの印刷物の拡大写真を示しました。印刷写真はこのように小さなドットで表現されております。このドットがあることによって、モワレ現象が発生します。このような周期性のあるパターンによって画像が構成されている時は、スキャナで読取る時にモワレ低減効果をオンにします。

  モワレ低減のスキャナ設定は、原稿に合わせることが望ましいのですが、標準的な設定でも問題ないと思います。但し、モワレ低減をオンにすると、読取り時間が長くなることがあります。モワレ低減の方式は、一般的には読取り解像度を高く設定して入力し、読取った画像にフィルターをかけるという方法です。従って解像度を高くした分、読取り時間が増えます。

  モワレが発生する写真か否かは、写真をルーペで拡大すれば解ります。少し古いタイプのインクジェットプリンタで印刷した写真は、モワレが発生することがよくあります。

4 バラ写真のスキャンニング方法
ガラス面清掃

写真4.1
ガラス面のクリーニング

写真のクリーニング

写真4.2
写真のクリーニング

スキャナー原点

写真4.3
スキャナー原点

写真読取り順

写真4.4
読取り順

4.1 スキャナのクリーニング
  写真4.1に示したように利き手に手袋をはめ、ガラス面を軽く拭きとります。写真を載せる前に必ず拭きとります。この時の手袋はガラス面の清掃道具です。できればガラス面のみではなく、周囲も一緒に清掃します。写真をスキャナーにセットする度に、清掃します。
4.2 写真のクリーニング
  写真をスキャナーにセットする前に、写真4.2のようにして写真のホコリを除去します。写真を手に持ち手袋を付けた手で写真のホコリを除去しますが、ホコリを払うのではなく、写真の表面を手袋でこするようにします。
4.3 写真のセッティング
  写真をスキャナーのガラス面に並べますが、その前にスキャナーの原点を探します。スキャナーには原点マークが表示されております。写真4.3がその一例です。スキャナー原点は、入力された画像の一番最初に読み込まれる位置です。

  上の写真4.4に従って説明します。スキャナーは緑の矢印の方向にスキャンヘッドが移動するとします。(方向はスキャナ毎に異なります。)写真が上のように置かれていたとしますと、ヘッドの移動に伴って検出された順に写真のデータが格納され、B→A→C→Dという順番にスキャンされたデータが格納されます。

  この性質を利用することにより、ならべた写真の読取り順を入力者の意図に合わせることがでます。

  写真を並べる際は、写真と写真の間隔をメーカの取扱説明書に従って設定して下さい。通常10ミリ程度間を空ければ、自動的に個々の写真を切り出してくれます。

  また、原点側は写真を押し付けても読み込めますが、原点の反対側は読み込めない領域がありますので、注意が必要です。

4.4 スキャンのプレビュー
スキャンしてデータを取り込む前にプレビューを行います。切り出し領域が適正か否かという点と、写真の回転方向を確認します。
プレビュー

図4.5
プレビュー

回転修正後

図4.6
回転修正後

写真固有設定

図4.7
写真固有の設定

  ドライバーソフトのプレビューボタンをクリックしてプレビューを行います。サムネイル表示を選択しておけば写真を自動的に切り出してくれます。(図4.5)但し、写真の方向が間違っている場合があります。修正する写真のみクリックして選択します。ドライバーに画像の回転のボタンがありますので、回転したい方向のボタンをクリックして方向を合わせます。(図4.6)
  次に写真の全選択ボタンをクリックして全ての写真を選択し、 全ての写真に共通した設定を行います。解像度は600DPI、自動露出、ホコリ除去機能オフ、諧調は24ビット(8ビット×3)が基本です。自動色補正、エッジ強調などはこの段階では使いません。(画像の圧縮については次項で説明します。)

  因みに、スキャナのホコリ除去機能は同じメーカのものでドライバーの設定を同じにしても、型番が変わっただけで性能が違っています。どの程度のホコリ除去性能を有しているかは、あらかじめチェックしておくことをお薦めします。(ホコリ除去性能に関しては互換性はないと思った方が良いと思います。)また、ホコリ除去機能は弊害が発生することもあります。

<<スキャナの補正機能を使わない理由>>
  スキャナの補正機能は、一部ゴミ除去機能と同じように、メーカ、機種ごとにバラツキがあります。従って、補正は互換性のある専用のソフトを用いることをお薦めします。最低限入力段階で処理した方が良いもののみメーカの補正機能を使用します。

  次に写真固有の設定を行います。写真毎に設定を変えるのは、モワレ低減機能です。モワレ低減機能を使用するのは、絹目写真、インクジェット写真、印刷写真の入力時です。A4のスキャナではL版写真であれば4枚同時にスキャンできますが、4枚の内いずれかが絹目写真やインクジェット写真であるケースが結構あります。従って、一枚毎にスキャン条件を変更できる使い方が必要になります。

  例えば上の写真入力の例では右側の写真が絹目でしたので、右側の写真のみサムネイルでクリックし、ドライバーの設定の中のモワレ除去の項目をオンにします。モワレ除去はもっとも精細度の高いモードを使用します。新聞用などを使用すると、解像度が低下してしまいます。

4.5 スキャンとデータ形式
JPEGオプション

図4.8
JPEGオプション

  次にデータの形式などを指定します。通常は、JPEG形式で十分です。JPEGには圧縮率の設定があります。この圧縮率の設定は、スキャン時のドライバーソフトや、アプリケーションソフト毎に異なります。(残念ながら業界で統一はされてないのです。)

  目安として、600dpiでの入力の場合、L版のサイズの写真で1メガバイト近辺、あるいはそれ以上の容量になるように設定すればほんと問題ないと思います。但し、写真の内容によって容量は違います。フォトショップ系では圧縮は0(圧縮強・ファイルサイズ小)から12(圧縮弱・ファイルサイズ大)の値で設定しますが、最低でも9以上の値にすることをお薦めします。オプションの項目はベースライン(標準)で結構です。ソフトによってデータ格納の形式の指定は、もっと前に必要になる場合もあります。そこはお使いになるソフトに合わせて臨機応変に対応して下さい。

  いよいよスキャンです。ドライバーのスキャンボタンをクリックします。ここは終了するまでひたすら待つのみです。

4.6 スキャン後の処理
  スキャン後の処理で必要になるのがトリミングとゴミ・シミの除去です。バラ写真の場合、写真の切り出しはドライバーソフトの自動切り出し機能を使えば良いのですが、時々切り出した位置がずれていることがあります。このような場合はマニュアルにてトリミングを行います。
  最後に入力段階で取り除けなかったゴミや密着によるシミを画像編集ソフトで修正します。また、微粒面写真の場合、雪のようなノイズが発生してしまいます。このケースは画像編集ソフトのフィルター機能でノイズを低減させます。
5 アルバム写真のスキャンニング方法
  アルバムに貼ってある写真のスキャン方法について以下に示します。基本的にはアルバムを台紙単位にバラして入力します。稀にバラせないものもありますので、その場合はそのままスキャンします。バラした方が作業がしやすく、またコイル式のアルバムの場合はばらさずにスキャナーにセットすると、スキャナーのガラス面にキズを付けてしまう場合がありますので、バラして作業します。
5.1 アルバムのばらし方
a ビス止めアルバム
写真5.1 ビス止めアルバム

写真5.1
ビス止めアルバム

写真5.2 アルバムを開いた状態

写真5.2
アルバムを開いた状態

  ビス止めのアルバムは表紙と裏表紙のみ厚いカバーがあり、間に数十枚の台紙を挟んだものです。背表紙は薄く、台紙端面を隠すためのものです。背表紙の無いものもあります。一般的にはビスは閉じた状態では見えません。ビスは2本止めで、延長ビスを入れることで、厚さはいくらにでも増やせます。アルバムとしては最も多いタイプです。
  このタイプのアルバムをばらす時は、裏表紙を開き(最後のページを開いた状態)、上下2か所のビスをマイナスドライバーで外します。アルバムによっては、ビスの上に裏表紙の折り返しが被さっている場合があります。背表紙のあるものは、裏表紙とアルバムの最後のページの間に背表紙が挟んであります。左の写真の場合も背表紙のあるタイプです。少しカールしているものが背表紙です。背表紙のビス穴は、台紙を増やせるよう長穴になっています。
b フリーアルバム
写真5.3 フリーアルバム

写真5.3
フリーアルバム

  穴がたくさんあいているもので、台紙枚数はそれほど多くはありませんがよくつかわれているタイプです。先ず写真5.4に示したように上下にある二つの留め具のバネ部を指で挟み、写真5.5にあるように引き抜きます。次に、写真5.6のようにスライドカバーを引き抜きます。これで、台紙を一枚ずつ取り出すことが可能になります。   組み立てる時は、この手順の逆の手順で組み立てます。
写真5.4 留め具を上下から中に押し込む

写真5.4
留め具を上下から中に押し込む

写真5.5 留め具を引き抜く

写真5.5
留め具を引き抜く

写真5.6 スライドカバーを外す

写真5.6
スライドカバーを外す

c コイルアルバム
写真5.7 コイルアルバム

写真5.7
コイルアルバム

  もっともやっかいで、かつ最もバラす必要性の高いアルバムです。金属製のコイルで台紙を綴じたものです。
  この形式のアルバムをバラさずにスキャンすると、コイルがガラス面に接触することとなり、ガラス面にキズを付けてしまいます。キズが付くと、入力するたびにキズが画像に入ってしまいますので欠陥になってしまいます。枚数が少ない場合はコイルの部分にテープなどを貼って、ガラス面に直接接触しないようにすれば外さなくても良いのですが、入力枚数が多い場合は、外した方がキズの心配もありませんし、作業性が良くなるので結果的に効率よく作業が可能です。
  コイルの外し方は、下の図5.8から5.10に示しました。図5.10でコイルを引き出す方向は、図5.9でコイルを整形した側と反対方向からまわして抜きます。抜きやすくするために、図5.9でコイルを整形するのです。アルバムを元の状態に戻すのは、逆の手順で戻します。
写真5.8 コイルの端を引き出す

写真5.8
コイルの端を引き出す

写真5.9 引き出したコイルを整形

写真5.9
引き出したコイルを整形

写真5.10 コイルを回して外す

写真5.10
コイルを回して外す

5.2 アルバムの入力準備
  大昔のアルバムは別として、1960年代後半以降に出現した透明シート方式のアルバムは現在も使われており、最も多く普及しているアルバムです。しかし、この方式のアルバムのスキャンを行う際には、このシートを剥がす必要があります。なぜなら、このシートが付着したままスキャンした場合には以下のa,b,c項の3種類の不具合が発生するからです。
a 透明シートのヨゴレとキズの影響
写真5.11 透明シート付きでスキャン

写真5.11
透明シート付きでスキャン

写真5.12 透明シートを剥がしてスキャン

写真5.12
透明シートを剥がしてスキャン

  上の写真をご覧ください。左はフィルムを剥がさずに入力した画像、右は剥がして入力した画像です。フィルムには結構キズが入っていることがあります。特に古いアルバムほどキズやヨゴレが付いています。なんどもアルバムを開いたり閉じたりした結果、対向するページとの間でこすれ、小さなキズになってしまいます。逆に、このシートにキズが付くことによって写真を保護していることになるわけです。
  しかし、キズはスキャナーにとっては一番の大敵です。スキャナーは人間の目で見た場合よりもキズに敏感に反応します。またフィルムも劣化しますから黄ばみが出たり、汚れが付着しています。
b 透明シートと写真の密着度の影響
写真5.13 透明シート付きでスキャン

写真5.13
透明シート付きでスキャン

写真5.14 透明シートを剥がしてスキャン

写真5.14
透明シートを剥がしてスキャン

  透明フィルムの存在は、通常の目視ではあまり気になりませんが、スキャンを行うとその存在が目立ってきます。その一つが、フィルムと写真の間の隙間の存在です。写真を台紙に載せ、上にカバーフィルムを貼り付けるとき、綺麗に密着させることは非常に困難です。気泡が入ったり、密着せずにわずかに隙間が生じます。上の左の写真はカバーフィルムを付けたままで入力したものですが、ムラがいっぱい発生しています。このムラは、写真のムラではなく、フィルムと写真の間の隙間の存在によって発生したものです。右のようにフィルムを剥がせばムラは生じません。
c 透明シートのシワの影響
写真5.15 透明シート付きでスキャン

写真5.15
透明シート付きでスキャン

写真5.16 透明シートを剥がしてスキャン

写真5.16
透明シートを剥がしてスキャン

  透明フィルムの影響で一番わかりやすい不具合です。透明シートにシワが寄ってしまっていることはよくあることです。一度シワが寄ってしまうと、シートが折れ曲がってしまいますので、貼り直しても影響が残ります。これ以外にも透明シートが破れている場合なども、当然のこととしてスキャンした結果に影響してしまいます。
d 透明シートの剥がし方
  コーナーからゆっくり剥がせば、大半のアルバムは問題なく剥がせます。古いアルバムの場合、剥がそうとすると台紙の表面が一緒に剥がれてしまうことがあります。こういうケースでは、別のコーナーからゆっくり剥がします。上下二か所のコーナーから交互に剥がすと、比較的に容易に剥がせます。

  古い写真で保管状態が悪い時は、稀にシートと写真の表面が一体になってしまっている場合があります。この場合は、無理に剥がすと写真の表面のみがシート側に貼りついたままでシートが剥がれてしまいます。こういうケースでは、残念ですがシートの上からスキャンします。

  シートを剥がすメリットがもうひとつあります。それは、ゴミが少なくなることです。写真とシートの間はもともとゴミは比較的に少ないのですが、剥がした時にゴミはシート側に移動する傾向があります。おそらく静電気の影響と思われます。従って、バラ写真にくらべて入力した際のゴミの出現頻度が少ないという傾向があります。

  透明シートは必ず剥がして入力しましょう。せっかく写真をスキャンするのであれば、このひと手間は大切です。
5.3 アルバム写真の入力
  アルバム写真の場合、写真が台紙にはりついたままで入力しますので、スキャナーによる写真の自動切り出しが上手く動作しません。よって、基本的にプレビューで全体をスキャンしておき、該当写真の部分だけ切り出します。複数領域を切り出せますから、必要な領域を個別に切り出し、スキャンを行います。多くのスキャナーでは、切り出した順番にデータとして格納してくれますから、写真の入力順を設定したい場合は切り出しの段階で順番を指定すればよいのです。切り出す時に厳密に切り出しを行えば、あとからトリミングを行う必要はなくなります。時間との兼ね合いで、ラフに切り出してあとからトリミングするのも一つの方法です。

  また、台紙に張り付けたままスキャンを行いますので、写真がガラス面に密着してしまうことによるシミ欠陥(写真2.1、写真2.2)はあまり発生しません。しかし、台紙を強くガラス面に抑え付けるとシミが発生します。逆に台紙の湾曲などでガラス面から写真があまり浮いてしまうと、ボケてしまいます。浮いても2〜3ミリ以内になるようにしてください。スキャナーのカバーをかぶせる程度で殆ど問題ないと思います。反りの方向によっては一部が密着してしまいますので、場合によっては台紙の反りを少し矯正してからスキャナーにセットします。

  スキャンが終了したら、バラ写真の時と同じように、スキャナ面を清掃してください。

6 最後に
  少し長い説明になってしまいました。  ご不明の点は、 弊社まで遠慮なくお問合せ下さい。 (フォトセピア 代表 間 潤治)

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